2008.02.28
Q:朝目が覚めてウキウキしたことありますか?
この“ドリム先生シリーズ”は、
精神分析医を気取るドリム先生が
ユング心理学の「夢解釈」の手法にのっとって
被験者の夢を分析するものです。
実を申しますとドリム先生はズブの素人でございます。
本職の精神分析医の方がご覧になると、
稚拙の極みに映るやもしれません。
しかし、ここは短編ストーリーの世界。
少々お目こぼしいただければ幸いです。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : ドリム先生、今日は楽しい夢見たんです。
B : ほお、そりゃよかった。
最近はひどい夢を見る人が多くて、私も食傷気味だったんですよ。
どんな夢でしたか。早く聞きたいな。
A : ええ、目が覚めたとき、心も体もウキウキするような、
そんな快感にしばらくボーッと浸っていました。
でもー、個人的なものなので、先生にはつまんないかもしれませんよ。
B : いやいや、楽しい夢とあらば、何が何でも聞かねばなりません。
夢というものは、日常生活の20倍のエネルギーを内包しています。
それが楽しい夢だった場合は、
そのお話を聞くだけで寿命は確実に5年は伸びるのです。
A : そんな風に言われると、話しにくいなぁ。
話してみると、案外普通の夢だったりして。
B : いいんです、いいんです。
どんな夢であれ、それを聞くのが私の仕事ですから。
はいそれでは、少しイスを倒してラクな姿勢になりましょうか。
---- * ---- * ---- * ---- * ----
A : 赤いバイクが僕のものになった。
何かの懸賞で当たったのだ。
学校へ行くのにバイクが使える。
その日は雨上がりで、まだ道はぬかるんでいたが、
早く乗りたくてしょうがない僕は、
バイクを押して玄関から外に出た。
なかなか軽快だ。
学校のバイク置き場は、
裏手の岡を登りきったところにある。
赤土の道はどろどろで、
まるでミルクセーキのようになっていた。
力一杯エンジンをふかすが、
タイヤは空回りして登れない。
何度か試みるがダメ。
いつしか僕はバイクを押して校庭を歩いていた。
こんなブザマな姿は、『あの子』には見せられない。
そこへ親友の川崎坊主がやってきた。
川崎坊主は別に家がお寺さんなのではない。
坊主頭にしているワケでもない。
ただ単に苗字に“坊主”とつけて呼び名にしているだけだ。
「あれ? これ、ナンタラ(何かは不明)が外れとっちゃないと?」
見ると、確かにそのナンタラがない。
キャッチャーが脛にあてるプロテクターのようなものがないと
バイクは走らないのだ。
とっさに僕は、さっきあの赤土の道で、
バイクにかなりの衝撃を与えたことを思い出した。
きっとあのときに外れたのだ、そのナンタラが。
赤土の道は、学校の一番古い校舎から真下に覗くことができる。
「あの辺で外れたと思うっちゃん」
窓から下方を指差して川崎坊主に教える。
そこへ、『あの子』とその友だちがやってきて、
みんなで探すのを手伝ってくれることになった。
古い校舎には、おじいさんが住んでいる。
何かを探す場合は、
そのおじいさんの許可をもらわなければならない。
僕は恐る恐るドアをノックした。
事の一部始終を説明する。するとおじいさんは、
「今からウチの体操部の連中が出て行くから…(以下不明)」
と言う。僕はおじいさんの言うことをしっかり理解した。
僕と川崎坊主は芝生と木々に囲まれた赤土の道へ降りていった。
すでに『あの子』たちは下に降りていて、
手分けしてそのナンタラを探してくれているようだった。
僕は古い校舎を見上げた。
窓のひとつが開いた。
そこから、体操部の7人の女子部員が顔をのぞかせた。
7人は虹の七色にそれぞれが光り、
前方回転や月面宙返りをしながら、
次々と華麗なジャンプで舞い降りてきた。
それはまるでピーターパンに出てくる妖精たちのようだった。
[被験者が1983年8月12日に見た夢より]
---- * ---- * ---- * ---- * ----
B : いい夢でしたね。実にいい夢だ。
「赤いバイク」は、
今あなたがつかもうとしている目標でしょう。
でもその目標を達成してみると、
人に自慢できるほどのものではないことに気がついた。
どこかしっくりこないと感じたワケです。
最初あなたには、その足りないものが見えなかった。
「川崎坊主」のような見識豊かな人に教えられて、
初めてそれが見えたはずです。
人のいうことによく耳を傾けることで、
より完成されたものへ近づけそうですね。
でも、その足りないものは、
あなた一人では探せないことに気がつきましたか。
他人があなたのことを「手伝ってくれる」…。
つまり、あなたが苦手とする他人との協力関係、
それを築くことが、今とても大事なことのようですね。
あなたは決心します。
苦手なことに立ち向かおうと奮い立ちます。
怖い「おじいさん」に話しかけました。
おじいさんとの会話には、
多少すれ違う部分はあったものの、
理解を得るという目的は達成できました。
これらのステップを確実に踏むことで、
あなたは「虹の妖精」という素敵なプレゼントを
受け取ることができたのです。
A : 先生、そうなんですよ。
先生の夢解釈を今聞いて、
また改めて心も体もウキウキしてきました。
B : よかったですね。
みなさんがウキウキして帰られると、
私はこの仕事を選んでホントによかったなと思うんですよ。

はい、今心も体もウキウキしてきた方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
精神分析医を気取るドリム先生が
ユング心理学の「夢解釈」の手法にのっとって
被験者の夢を分析するものです。
実を申しますとドリム先生はズブの素人でございます。
本職の精神分析医の方がご覧になると、
稚拙の極みに映るやもしれません。
しかし、ここは短編ストーリーの世界。
少々お目こぼしいただければ幸いです。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : ドリム先生、今日は楽しい夢見たんです。
B : ほお、そりゃよかった。
最近はひどい夢を見る人が多くて、私も食傷気味だったんですよ。
どんな夢でしたか。早く聞きたいな。
A : ええ、目が覚めたとき、心も体もウキウキするような、
そんな快感にしばらくボーッと浸っていました。
でもー、個人的なものなので、先生にはつまんないかもしれませんよ。
B : いやいや、楽しい夢とあらば、何が何でも聞かねばなりません。
夢というものは、日常生活の20倍のエネルギーを内包しています。
それが楽しい夢だった場合は、
そのお話を聞くだけで寿命は確実に5年は伸びるのです。
A : そんな風に言われると、話しにくいなぁ。
話してみると、案外普通の夢だったりして。
B : いいんです、いいんです。
どんな夢であれ、それを聞くのが私の仕事ですから。
はいそれでは、少しイスを倒してラクな姿勢になりましょうか。
---- * ---- * ---- * ---- * ----
A : 赤いバイクが僕のものになった。
何かの懸賞で当たったのだ。
学校へ行くのにバイクが使える。
その日は雨上がりで、まだ道はぬかるんでいたが、
早く乗りたくてしょうがない僕は、
バイクを押して玄関から外に出た。
なかなか軽快だ。
学校のバイク置き場は、
裏手の岡を登りきったところにある。
赤土の道はどろどろで、
まるでミルクセーキのようになっていた。
力一杯エンジンをふかすが、
タイヤは空回りして登れない。
何度か試みるがダメ。
いつしか僕はバイクを押して校庭を歩いていた。
こんなブザマな姿は、『あの子』には見せられない。
そこへ親友の川崎坊主がやってきた。
川崎坊主は別に家がお寺さんなのではない。
坊主頭にしているワケでもない。
ただ単に苗字に“坊主”とつけて呼び名にしているだけだ。
「あれ? これ、ナンタラ(何かは不明)が外れとっちゃないと?」
見ると、確かにそのナンタラがない。
キャッチャーが脛にあてるプロテクターのようなものがないと
バイクは走らないのだ。
とっさに僕は、さっきあの赤土の道で、
バイクにかなりの衝撃を与えたことを思い出した。
きっとあのときに外れたのだ、そのナンタラが。
赤土の道は、学校の一番古い校舎から真下に覗くことができる。
「あの辺で外れたと思うっちゃん」
窓から下方を指差して川崎坊主に教える。
そこへ、『あの子』とその友だちがやってきて、
みんなで探すのを手伝ってくれることになった。
古い校舎には、おじいさんが住んでいる。
何かを探す場合は、
そのおじいさんの許可をもらわなければならない。
僕は恐る恐るドアをノックした。
事の一部始終を説明する。するとおじいさんは、
「今からウチの体操部の連中が出て行くから…(以下不明)」
と言う。僕はおじいさんの言うことをしっかり理解した。
僕と川崎坊主は芝生と木々に囲まれた赤土の道へ降りていった。
すでに『あの子』たちは下に降りていて、
手分けしてそのナンタラを探してくれているようだった。
僕は古い校舎を見上げた。
窓のひとつが開いた。
そこから、体操部の7人の女子部員が顔をのぞかせた。
7人は虹の七色にそれぞれが光り、
前方回転や月面宙返りをしながら、
次々と華麗なジャンプで舞い降りてきた。
それはまるでピーターパンに出てくる妖精たちのようだった。
[被験者が1983年8月12日に見た夢より]
---- * ---- * ---- * ---- * ----
B : いい夢でしたね。実にいい夢だ。
「赤いバイク」は、
今あなたがつかもうとしている目標でしょう。
でもその目標を達成してみると、
人に自慢できるほどのものではないことに気がついた。
どこかしっくりこないと感じたワケです。
最初あなたには、その足りないものが見えなかった。
「川崎坊主」のような見識豊かな人に教えられて、
初めてそれが見えたはずです。
人のいうことによく耳を傾けることで、
より完成されたものへ近づけそうですね。
でも、その足りないものは、
あなた一人では探せないことに気がつきましたか。
他人があなたのことを「手伝ってくれる」…。
つまり、あなたが苦手とする他人との協力関係、
それを築くことが、今とても大事なことのようですね。
あなたは決心します。
苦手なことに立ち向かおうと奮い立ちます。
怖い「おじいさん」に話しかけました。
おじいさんとの会話には、
多少すれ違う部分はあったものの、
理解を得るという目的は達成できました。
これらのステップを確実に踏むことで、
あなたは「虹の妖精」という素敵なプレゼントを
受け取ることができたのです。
A : 先生、そうなんですよ。
先生の夢解釈を今聞いて、
また改めて心も体もウキウキしてきました。
B : よかったですね。
みなさんがウキウキして帰られると、
私はこの仕事を選んでホントによかったなと思うんですよ。
はい、今心も体もウキウキしてきた方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
2008.02.26
Q:わかっていてもやめられないことってありますか?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
本作品はお色気シーン、もしくはそれを想起させる表現を含みます。
ご家族でご一緒にお読みになるのにはふさわしくありませんので、
そんな場合は、今すぐどこかへ、たとえばココへ飛んでってください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : オイラの仕事は土を食うことさ。
土の中に含まれる有機物や微生物を消化して、
粒状のウンコをする。
そのウンコがいい堆肥になるとかで、
最近オカンたちの間でブームらしいぜ。
「みみずコンポスト」とかって言ってヨ。
『ご家庭の生ゴミを、無臭で処理!』
『アッと言う間にできる高品質の肥料。家庭菜園に最適!』
『電気はまったく使いません。用意するのはミミズさんのお部屋だけ』
壊れたプラスチックの衣類ケースに
土と新聞紙とヤシの繊維を敷いたりなんかして、
結構本気で世話してくれる奇特な人もいるらしい。ケッ!
何もそんな豪邸を建ててくれなくたって、
オイラはどこにだっているよ。
ま、どっちかと言えば、味も素っ気もない赤土の中より、
落ち葉が積もって下の層から朽ち始めた山土の中がご機嫌だね。
少しぐらい硬い葉脈や誰かが捨てていった紙切れなんかが
混じっていても平気さ。
その方がかえって歯ごたえがあって食欲も増す。
B : お宅、歯ありましたっけ?
A : 細けえことは気にするなって。
枯葉をパリパリ。
泥と木片の混ぜご飯をモグモグ。
箸なおしに湿った週刊誌をバクバク。
食ったら必ずウンコする。
オカンが泣いて喜ぶ“土ウンコ”。
モグモグ、ブリブリ。
モグモグ、ピー!
快眠、快食、快便。
土食ってまた土出すのカヨって、
それが仕事だなんて、大した役にも立ってネェじゃネェかって、
そりゃオメエ、オイラに失礼じゃネェか。
冬の日でも、この芝生の下はポッカポカ。
オイラが毎日ホクホクの“土ウンコ”を出すおかげだぁさね。
昼間そうやってしっかり働いたら、
夜はパーッとやるのさ。
「月の光」に誘われて、
ほらほら仲間がみんな顔を出す。
あちらこちらでドンチャン騒ぎが始まった。
「夜露のお酒」は、楽しいお酒。
さあ、さ、くぃっといっとくれ。
B : これはどうも。…クーーっ、ほてった喉に染み渡りますなぁ。
A : ついで、つがれて、つがせて、ついで。
オイオイやめとけ。いやがってるじゃネェか。
弱そうなヤツにコブラツイストをかけて喜んでいるデカチン野郎。
正体をなくした若い娘を暗がりに運ぼうとして腰を痛め、
のた打ち回っているハゲおやじ。
酒癖の悪いヤツはどこにでもいる。
いくら楽しいからって、騒ぎすぎるのは禁物だ。
自分が出てきた穴を決して忘れてはいけない。
空が白んできたというのに、まだヘベレケのヤツもいる。
あいつらちゃんと家に帰れるのか心配だ。
でも所詮ヒトゴト。オイラは先に失礼するよ。
このゴルフ場では毎日数千人の仲間たちが死んでいく。
その大半は、
昨夜のおイタをお天道様に叱られて、
カラカラ干しの刑に処せられたものだ。
恐ろしいとはわかっていても、
やめられないのさ。
「月の光」と「夜露のお酒」。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : 大学時代、ゴルフ場に泊り込んで
キャディーのアルバイトをよくやってました。
ゴルフ場の芝生の下には、ミミズがたくさん住んでいます。
昼間は日光が辛いのか、ミミズは土の下に隠れていますが、
夜練習グリーンに行くと、そこら中ウヨウヨ。
バカ騒ぎもいい加減にしておかないと大変な目に遭うよ。
案の定、翌日のカート道には、
逃げ場を失ったたくさんのミミズが干からびています。
最近は「みみずコンポスト」が大はやりだとか。
ウンコの質が違うんだって。
何でも自分のために利用してしまう人間っていったい?

はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
本作品はお色気シーン、もしくはそれを想起させる表現を含みます。
ご家族でご一緒にお読みになるのにはふさわしくありませんので、
そんな場合は、今すぐどこかへ、たとえばココへ飛んでってください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : オイラの仕事は土を食うことさ。
土の中に含まれる有機物や微生物を消化して、
粒状のウンコをする。
そのウンコがいい堆肥になるとかで、
最近オカンたちの間でブームらしいぜ。
「みみずコンポスト」とかって言ってヨ。
『ご家庭の生ゴミを、無臭で処理!』
『アッと言う間にできる高品質の肥料。家庭菜園に最適!』
『電気はまったく使いません。用意するのはミミズさんのお部屋だけ』
壊れたプラスチックの衣類ケースに
土と新聞紙とヤシの繊維を敷いたりなんかして、
結構本気で世話してくれる奇特な人もいるらしい。ケッ!
何もそんな豪邸を建ててくれなくたって、
オイラはどこにだっているよ。
ま、どっちかと言えば、味も素っ気もない赤土の中より、
落ち葉が積もって下の層から朽ち始めた山土の中がご機嫌だね。
少しぐらい硬い葉脈や誰かが捨てていった紙切れなんかが
混じっていても平気さ。
その方がかえって歯ごたえがあって食欲も増す。
B : お宅、歯ありましたっけ?
A : 細けえことは気にするなって。
枯葉をパリパリ。
泥と木片の混ぜご飯をモグモグ。
箸なおしに湿った週刊誌をバクバク。
食ったら必ずウンコする。
オカンが泣いて喜ぶ“土ウンコ”。
モグモグ、ブリブリ。
モグモグ、ピー!
快眠、快食、快便。
土食ってまた土出すのカヨって、
それが仕事だなんて、大した役にも立ってネェじゃネェかって、
そりゃオメエ、オイラに失礼じゃネェか。
冬の日でも、この芝生の下はポッカポカ。
オイラが毎日ホクホクの“土ウンコ”を出すおかげだぁさね。
昼間そうやってしっかり働いたら、
夜はパーッとやるのさ。
「月の光」に誘われて、
ほらほら仲間がみんな顔を出す。
あちらこちらでドンチャン騒ぎが始まった。
「夜露のお酒」は、楽しいお酒。
さあ、さ、くぃっといっとくれ。
B : これはどうも。…クーーっ、ほてった喉に染み渡りますなぁ。
A : ついで、つがれて、つがせて、ついで。
オイオイやめとけ。いやがってるじゃネェか。
弱そうなヤツにコブラツイストをかけて喜んでいるデカチン野郎。
正体をなくした若い娘を暗がりに運ぼうとして腰を痛め、
のた打ち回っているハゲおやじ。
酒癖の悪いヤツはどこにでもいる。
いくら楽しいからって、騒ぎすぎるのは禁物だ。
自分が出てきた穴を決して忘れてはいけない。
空が白んできたというのに、まだヘベレケのヤツもいる。
あいつらちゃんと家に帰れるのか心配だ。
でも所詮ヒトゴト。オイラは先に失礼するよ。
このゴルフ場では毎日数千人の仲間たちが死んでいく。
その大半は、
昨夜のおイタをお天道様に叱られて、
カラカラ干しの刑に処せられたものだ。
恐ろしいとはわかっていても、
やめられないのさ。
「月の光」と「夜露のお酒」。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : 大学時代、ゴルフ場に泊り込んで
キャディーのアルバイトをよくやってました。
ゴルフ場の芝生の下には、ミミズがたくさん住んでいます。
昼間は日光が辛いのか、ミミズは土の下に隠れていますが、
夜練習グリーンに行くと、そこら中ウヨウヨ。
バカ騒ぎもいい加減にしておかないと大変な目に遭うよ。
案の定、翌日のカート道には、
逃げ場を失ったたくさんのミミズが干からびています。
最近は「みみずコンポスト」が大はやりだとか。
ウンコの質が違うんだって。
何でも自分のために利用してしまう人間っていったい?
はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
2008.02.24
Q:遊ばれたことありますか?
A : 独り占めはずるいヨ。
B : まだ全然遊んでないモーン。
A : ずーっと遊んでんじゃん。
いい加減に代わってヨ。
B : おまえなんか違うとこ行けばいいだろ?
A : この辺に他に遊ぶところなんかないモン。
B : べーだ。
わーい、楽しいなー。
A : もう、あんまりやると壊れるヨ。
ほら、もう、フラフラしてるヨ。
あーっ、危なーい!
B : 痛ててて・・・。
A : ほら見なさい。バチが当たった。
B : あーあ。倒れちゃった。
もうこいつで遊ぶのやーめピ。
A : ねェ、ちゃんと起こして行きなヨ。
もう、やりっぱなしなんだから…。
よし、じゃあ、アタシが起こしてあげるヨ。
よいしょっと。
ほら、もう大丈夫かな?
はい、いい子いい子。
今度はアタシの番ネ。
アタシが好きなのは水遊びー。
ジュルジュル、ベチャベチャ。
もっと水出してー。
ジュルジュル、ベチャベチャ。
うわー、おもしろーい。
あっ、まずい。
大きいのが、
来る、
来る、
来る。
作者 : ハ―――――――― ックション!!!!
熱風邪がおさまったと思ったら、
今度は鼻風邪かヨ。
ここんとこ次から次に
いろんな風邪引いてんだよなァ。
風邪の野郎、オレで遊びやがって。

はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
B : まだ全然遊んでないモーン。
A : ずーっと遊んでんじゃん。
いい加減に代わってヨ。
B : おまえなんか違うとこ行けばいいだろ?
A : この辺に他に遊ぶところなんかないモン。
B : べーだ。
わーい、楽しいなー。
A : もう、あんまりやると壊れるヨ。
ほら、もう、フラフラしてるヨ。
あーっ、危なーい!
B : 痛ててて・・・。
A : ほら見なさい。バチが当たった。
B : あーあ。倒れちゃった。
もうこいつで遊ぶのやーめピ。
A : ねェ、ちゃんと起こして行きなヨ。
もう、やりっぱなしなんだから…。
よし、じゃあ、アタシが起こしてあげるヨ。
よいしょっと。
ほら、もう大丈夫かな?
はい、いい子いい子。
今度はアタシの番ネ。
アタシが好きなのは水遊びー。
ジュルジュル、ベチャベチャ。
もっと水出してー。
ジュルジュル、ベチャベチャ。
うわー、おもしろーい。
あっ、まずい。
大きいのが、
来る、
来る、
来る。
作者 : ハ―――――――― ックション!!!!
熱風邪がおさまったと思ったら、
今度は鼻風邪かヨ。
ここんとこ次から次に
いろんな風邪引いてんだよなァ。
風邪の野郎、オレで遊びやがって。
はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
2008.02.23
Q:「天ぷら」と「シャンク」、どちらがクサりますか?
A : ま、ゴルフやらない方にとっては、
このQuestionは何の意味だかわからないんじゃないですか?
B : 「天ぷらがクサる」というのは、何となくわかりますよね。
A : 油が古いのか、素材が悪いのか。
でも「シャンク」って、普通の人はどんな食べ物 想像しますかね?
B : フランス料理の前菜に出てきそうな…。
A : それは「シュリンプ」。えびでしょ?
B : 「シュリンプカクテル」。ボク好きなんだよな。
A : 生きのいいヤツをブイヨンスープにさっと湯通しして、
B : レモンをジュワーっとしぼる。
A : それをよく冷やしたら、
B : カクテルグラスに引っ掛けるように盛りつけ。
A : マヨネーズやチリソースを混ぜたソースに、
B : ねっとりくぐらせて…。
A : 食う!
B : うひょー!
A : イメージ、豊か過ぎですよ。
B : あなたが乗せるから。
A : それはさて置き、シャンクと天ぷらは、
発生するロケーションが違いますね。
天ぷらは、ティーショット以外では
まずお目にかかれません。
B : 確かに。
A : ティーアップしたボールの下を上手にクラブヘッドを通す。
まるでダルマ落としのように。
ただし、ボールがそのまま真下に落ちたら、
それは「天ぷら」とは言いません。
B : それはそれでウケると思うけど。
A : ヘッドの上っツラにボールをわずかにこすらせる。
くれぐれもボールに強い衝撃を与えてはいけない。
B : イヤ、そういうことを教えてほしいワケじゃないんだよな。
A : ここでとても大事なことがあります。
『スウィングは美しく』
決してよろよろしたり、ギッコンバッタンしたりしないように。
照れ隠しでおどけたりするのも厳禁です。
声を上げたりするのはもってのほか。
B : 営業的には、その方が好まれますけど。
A : ゴルフで一番大事なのは何だか知ってますか?
自制心です。
かのジャック・ニクラスは、ミスショットをしても、
悔しさや落胆の気持ちを決して顔に出しませんでした。
一旦顔に出してしまうと、
次にはミスショットの言い訳を考えるようになるからだそうです。
ありのままを受け入れる。
あなにたの場合は、まずそこから精進してください。
B : 精進って坐禅の修行じゃないんですから。
A : 心静かに“それ”を宣言する。
B : “それ”って?
A : “天ぷら”ですよ。“天ぷら”するぞと小声で言うんです。
みんなに聞こえる必要はありません。
キャディさんだけにそっと耳打ちしてください。
いつもと同じ安定した高さのティーアップ。
後方から弾道のイメージを確認。
一度だけ6割の力で素振り。
スウィングに移るまでのテンポもいつもと一緒。
完全な円軌道。
しなるようなスウィング。
微動だにしないフィニッシュ。
ただ、あるべき音が…聞こえない。
誰もがボールの行方を見失う。
雲雀のさえずり。
誰かのゲップ。
あり得ないところから姿を現したボール。
そう、50ヤード前方にポトリと。
フェアウェーど真ん中。
…ある種“カミワザ”とも言えます。
これができるようになれば、
あなたの腕は相当なプロ級であることが証明されますし、
何より、美人のキャディさんは、もうあなたのものです。
B : それ、練習しようかなァ?
A : 鼻の穴がふくらんでますよ。
B : で、シャンクの方はどうなんですか?
A : 今日はもうやめましょう。十分語りました。
B : Questionに何も答えてない、っていうか、
これでは納得しないでしょう、
いくら心優しいオーディエンスさんたちも。
A : シャンクのことはまた今度ね。
B : ああっ、あなたもしかして、
素人なのに「ゴルフQ&Aコーナー」をやってる、
例の“普通のサラリーマン”?
A : だったら、どうします?
B : うわーッ、うれしい!
会いたかったんですよォ。
こんなところで飲んでたんですね。
いやー、もう、ラッキー、っていうか。
普通気づきませんよね。
A : 気づいたのは、あなたが二人目です。
もう帰ってもいいですか?
B : 帰しませんよ、今夜は絶対。
行きましょう、次の店はボクのおごりです。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : この“素人なのに「ゴルフQ&Aコーナー」をやってる
普通のサラリーマン”、
そろそろ慣れましたでしょうか。
これってcdoorさんご本人ですかって?
いえいえ、私のゴルフはプロ級ですから…。
ベストスコアーですか?
ああ、やっと聞いてくれましたね。
先週初めて100を切りました。

はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
このQuestionは何の意味だかわからないんじゃないですか?
B : 「天ぷらがクサる」というのは、何となくわかりますよね。
A : 油が古いのか、素材が悪いのか。
でも「シャンク」って、普通の人はどんな食べ物 想像しますかね?
B : フランス料理の前菜に出てきそうな…。
A : それは「シュリンプ」。えびでしょ?
B : 「シュリンプカクテル」。ボク好きなんだよな。
A : 生きのいいヤツをブイヨンスープにさっと湯通しして、
B : レモンをジュワーっとしぼる。
A : それをよく冷やしたら、
B : カクテルグラスに引っ掛けるように盛りつけ。
A : マヨネーズやチリソースを混ぜたソースに、
B : ねっとりくぐらせて…。
A : 食う!
B : うひょー!
A : イメージ、豊か過ぎですよ。
B : あなたが乗せるから。
A : それはさて置き、シャンクと天ぷらは、
発生するロケーションが違いますね。
天ぷらは、ティーショット以外では
まずお目にかかれません。
B : 確かに。
A : ティーアップしたボールの下を上手にクラブヘッドを通す。
まるでダルマ落としのように。
ただし、ボールがそのまま真下に落ちたら、
それは「天ぷら」とは言いません。
B : それはそれでウケると思うけど。
A : ヘッドの上っツラにボールをわずかにこすらせる。
くれぐれもボールに強い衝撃を与えてはいけない。
B : イヤ、そういうことを教えてほしいワケじゃないんだよな。
A : ここでとても大事なことがあります。
『スウィングは美しく』
決してよろよろしたり、ギッコンバッタンしたりしないように。
照れ隠しでおどけたりするのも厳禁です。
声を上げたりするのはもってのほか。
B : 営業的には、その方が好まれますけど。
A : ゴルフで一番大事なのは何だか知ってますか?
自制心です。
かのジャック・ニクラスは、ミスショットをしても、
悔しさや落胆の気持ちを決して顔に出しませんでした。
一旦顔に出してしまうと、
次にはミスショットの言い訳を考えるようになるからだそうです。
ありのままを受け入れる。
あなにたの場合は、まずそこから精進してください。
B : 精進って坐禅の修行じゃないんですから。
A : 心静かに“それ”を宣言する。
B : “それ”って?
A : “天ぷら”ですよ。“天ぷら”するぞと小声で言うんです。
みんなに聞こえる必要はありません。
キャディさんだけにそっと耳打ちしてください。
いつもと同じ安定した高さのティーアップ。
後方から弾道のイメージを確認。
一度だけ6割の力で素振り。
スウィングに移るまでのテンポもいつもと一緒。
完全な円軌道。
しなるようなスウィング。
微動だにしないフィニッシュ。
ただ、あるべき音が…聞こえない。
誰もがボールの行方を見失う。
雲雀のさえずり。
誰かのゲップ。
あり得ないところから姿を現したボール。
そう、50ヤード前方にポトリと。
フェアウェーど真ん中。
…ある種“カミワザ”とも言えます。
これができるようになれば、
あなたの腕は相当なプロ級であることが証明されますし、
何より、美人のキャディさんは、もうあなたのものです。
B : それ、練習しようかなァ?
A : 鼻の穴がふくらんでますよ。
B : で、シャンクの方はどうなんですか?
A : 今日はもうやめましょう。十分語りました。
B : Questionに何も答えてない、っていうか、
これでは納得しないでしょう、
いくら心優しいオーディエンスさんたちも。
A : シャンクのことはまた今度ね。
B : ああっ、あなたもしかして、
素人なのに「ゴルフQ&Aコーナー」をやってる、
例の“普通のサラリーマン”?
A : だったら、どうします?
B : うわーッ、うれしい!
会いたかったんですよォ。
こんなところで飲んでたんですね。
いやー、もう、ラッキー、っていうか。
普通気づきませんよね。
A : 気づいたのは、あなたが二人目です。
もう帰ってもいいですか?
B : 帰しませんよ、今夜は絶対。
行きましょう、次の店はボクのおごりです。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : この“素人なのに「ゴルフQ&Aコーナー」をやってる
普通のサラリーマン”、
そろそろ慣れましたでしょうか。
これってcdoorさんご本人ですかって?
いえいえ、私のゴルフはプロ級ですから…。
ベストスコアーですか?
ああ、やっと聞いてくれましたね。
先週初めて100を切りました。
はい、今楽しい気分になった方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
2008.02.21
Q:あなたに後継者はいますか?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
本作品はお色気シーン、もしくはそれを想起させる表現を含みます。
ご家族でご一緒にお読みになるのにはふさわしくありませんので、
そんな場合は、今すぐどこかへ、たとえばココへ飛んでってください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : おまえの力も地に落ちたのう。
B : 大王様、面目ございません。
A : どうするつもりじゃ。
B : はっ、はい…。
どのようなご処分でも甘んじて受ける覚悟で参りました。
A : 何もおまえを罰しようとは思っていない。
情けないのは、あくまであの男だからな。
B : は、恐縮至極に存じまする。
A : おまえは、おまえが持てる最大限の力で叫ぼうとした。
しかし、あの男は先回りをして、
おまえの背後から忍び寄り、
どんな手を使ったのかはわからんが、おまえの気を失わせた。
それもただ、“あと10分”の惰眠をむさぼりたいという、
動物的かつ短絡的な理由でだ。
結局10分どころか1時間も寝坊し、
朝一の会議は見事スッポカシと相成った。
B : まさか裏の方から手を回してくるとは思いませんでした。
A : おまえの力だけでは、
もういかんともしがたいところまで来ているようじゃ。
B : 大王様、本日は老いさらばえた私めの代わりにと思いまして、
この者を連れて参りました。
A : 見かけぬ顔じゃの。もちと近こう寄れ。
B : さ、さ、お目通しいただくのじゃ。
A : 顔を上げよ。
ほお、なかなかスッキリとした顔立ちじゃ。
おまえの息子か?
B : いえ、私めは、人徳の無さゆえに、
子宝にも恵まれなかったのでございます。
この者は我らが民(たみ)とは、出自を異にする者にて…。
A : どこの生まれかの? 若者よ。
C : 「照るの民」の者にございます。
A : 「照るの民」とな?
おお、「TELの民」、「電話の民」。
ワシも昔、まだ営業をやっておった頃、
全国各地のビジネスホテルをよく泊まり歩いておった。
翌朝、大事な面談があるときなど、
ホテルのフロントのお姉さんにモーニングコールを頼んだものだ。
なるほどなァ、目覚ましの翁(おきな)。
おまえの考えそうなことよ。
じゃが、目覚ましの翁よ。
ちいと、思慮が足りなかったのではないか。
あの男の部屋にはフロントのお姉さんなどはおらぬ。
モーニングコールのサービスは受けられぬということじゃ。
B : 恐れながら、大王様。
この者には、モーニングコールのサービス体制は無用でございます。
A : サービス体制なくして、この者がその役目をまっとうできるとな?
B : 御意にござりまする。
A : やって見せよ。
B : さ、早よう、やってご覧に入れるのじゃ。
C : このようにして毎朝7時にセットいたします。
このような音で鳴ります。
こうやって止めます。
A : おお、美しい声じゃ。
光るのか。
震えるのか。
そなた、名を何と申す?
C : ケータイと申します。
A : 「ケータイの皇子(みこ)」…良い名じゃ。
しかしケータイの皇子よ、
あの男の貧しい知能で、そなたを使いこなせると思うか。
C : 私を使うのに、さほど知能は要りません。
ただひたすら直感だけでボタンを押すのです。
最近の若い人はみなそうです。
頭は使いません。
A : いにしえより、ここ大和の国は、
遥か西方の国々から伝わる新しい文化を
すべてその胃袋に取り入れ、消化・吸収し、血肉として参った。
そなたの言う“直感”とやらも、
新しい文化の響きがする言葉じゃ。
目覚ましの翁よ。
おまえには、よい跡取りがおって幸せ者よのう。
今日はこのケータイの皇子を置いて行け。
ワシがまず使ってみる。
B : へ? あ、いや、大王様、それはなりませぬ。
まだ、右も左もわからぬ子どもでござりまする〜。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : 果たして目覚ましの翁は、ケータイの皇子を、
大王様から守れるのでありましょうか!

はい、今、
「え? そういうこと? ああいうこと?」
っていろいろ考えた方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
本作品はお色気シーン、もしくはそれを想起させる表現を含みます。
ご家族でご一緒にお読みになるのにはふさわしくありませんので、
そんな場合は、今すぐどこかへ、たとえばココへ飛んでってください。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
A : おまえの力も地に落ちたのう。
B : 大王様、面目ございません。
A : どうするつもりじゃ。
B : はっ、はい…。
どのようなご処分でも甘んじて受ける覚悟で参りました。
A : 何もおまえを罰しようとは思っていない。
情けないのは、あくまであの男だからな。
B : は、恐縮至極に存じまする。
A : おまえは、おまえが持てる最大限の力で叫ぼうとした。
しかし、あの男は先回りをして、
おまえの背後から忍び寄り、
どんな手を使ったのかはわからんが、おまえの気を失わせた。
それもただ、“あと10分”の惰眠をむさぼりたいという、
動物的かつ短絡的な理由でだ。
結局10分どころか1時間も寝坊し、
朝一の会議は見事スッポカシと相成った。
B : まさか裏の方から手を回してくるとは思いませんでした。
A : おまえの力だけでは、
もういかんともしがたいところまで来ているようじゃ。
B : 大王様、本日は老いさらばえた私めの代わりにと思いまして、
この者を連れて参りました。
A : 見かけぬ顔じゃの。もちと近こう寄れ。
B : さ、さ、お目通しいただくのじゃ。
A : 顔を上げよ。
ほお、なかなかスッキリとした顔立ちじゃ。
おまえの息子か?
B : いえ、私めは、人徳の無さゆえに、
子宝にも恵まれなかったのでございます。
この者は我らが民(たみ)とは、出自を異にする者にて…。
A : どこの生まれかの? 若者よ。
C : 「照るの民」の者にございます。
A : 「照るの民」とな?
おお、「TELの民」、「電話の民」。
ワシも昔、まだ営業をやっておった頃、
全国各地のビジネスホテルをよく泊まり歩いておった。
翌朝、大事な面談があるときなど、
ホテルのフロントのお姉さんにモーニングコールを頼んだものだ。
なるほどなァ、目覚ましの翁(おきな)。
おまえの考えそうなことよ。
じゃが、目覚ましの翁よ。
ちいと、思慮が足りなかったのではないか。
あの男の部屋にはフロントのお姉さんなどはおらぬ。
モーニングコールのサービスは受けられぬということじゃ。
B : 恐れながら、大王様。
この者には、モーニングコールのサービス体制は無用でございます。
A : サービス体制なくして、この者がその役目をまっとうできるとな?
B : 御意にござりまする。
A : やって見せよ。
B : さ、早よう、やってご覧に入れるのじゃ。
C : このようにして毎朝7時にセットいたします。
このような音で鳴ります。
こうやって止めます。
A : おお、美しい声じゃ。
光るのか。
震えるのか。
そなた、名を何と申す?
C : ケータイと申します。
A : 「ケータイの皇子(みこ)」…良い名じゃ。
しかしケータイの皇子よ、
あの男の貧しい知能で、そなたを使いこなせると思うか。
C : 私を使うのに、さほど知能は要りません。
ただひたすら直感だけでボタンを押すのです。
最近の若い人はみなそうです。
頭は使いません。
A : いにしえより、ここ大和の国は、
遥か西方の国々から伝わる新しい文化を
すべてその胃袋に取り入れ、消化・吸収し、血肉として参った。
そなたの言う“直感”とやらも、
新しい文化の響きがする言葉じゃ。
目覚ましの翁よ。
おまえには、よい跡取りがおって幸せ者よのう。
今日はこのケータイの皇子を置いて行け。
ワシがまず使ってみる。
B : へ? あ、いや、大王様、それはなりませぬ。
まだ、右も左もわからぬ子どもでござりまする〜。
・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・
作者 : 果たして目覚ましの翁は、ケータイの皇子を、
大王様から守れるのでありましょうか!
はい、今、
「え? そういうこと? ああいうこと?」
っていろいろ考えた方、
上の「ショートショート」ボタンを押してください。
どうもありがとうございます。
