「拓坊」は向かいの家に住む甥です。
まだ4才なので日本語をマスターしていません。
ある日彼は、女3人がくつろいでいる我が家に、
間違って上がりこんでしまいました。



・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・


妻 : ねえ、拓坊は、
   ミズエおねえちゃん(長女)と、
   ナオミおねえちゃん(次女)と、
   マサコおばちゃん(妻=自分)の中で、
   誰が一番好き?

拓坊 : ナオミおねえちゃん

長女&妻 : えーっ?

妻 : あのおねえちゃん、意地悪じゃん。

拓坊 : いいんだよ。

長女 : 何でアタシじゃないんだよー。
     もうかわいがってやんねェぞ。

拓坊 : いいよーだ。べー。

長女 : 言ったな、コイツー。
     こっち来い! くすぐってやる。

妻 : ナオミおねえちゃんが好みなの?

拓坊 : コノミだよ。

長女&妻 : あっはっは!

拓坊 : コノミなんだよ!(そんなの関係ねー的な動きで)

長女&妻 : あっはっは! ムキになるなよ。

妻 : どこがコノミなの?

拓坊 : アタマだよ!

長女&妻 : あっはっは! アタマかよ!

長女 : “アタマ”って何だよ? 髪か?

拓坊 : カオだよ!

長女 : おまえは全然女を見る目ないなー。
     アイツはクソだぞ。

次女 : 誰がクソだって?

長女 : 聞いてたのか。
     鏡ばっかり見てるから聞こえてないのかと思ったぜ。

妻 : 女を見る目ないっていうか、空気が読めないヤツだよな。
   こういうときは、「マサコおばちゃん」って言っとくもんだろガイ!
   誰があげたビスコ食ってんだ? え?


・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・


作者 : 元気な女が3人いる家に間違って上がりこんだら、
     こんな風にイタブラレルことになるのです。
     気をつけろ、甥よ。


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※このお話はフィクションです。(←七花さんのマネ)

 
母親 : パパ行くよー!

長女 : もうパパ車乗ってるよ。

母親 : 珍しいね。

長女 : パパってホームセンター行くときだけ動きが早いよね。
     知ってた? ママ。

母親 : そうだっけか?

長女 : そうだよ。先月もその前も。
     パパってさ、何も欲しい物がないヒトじゃん?
     それなのに、ホームセンターは“好き”みたいなんだよね。

母親 : でも、ホームセンターでものろのろカート押してるだけだよ。
     アタシのあとにくっついて。

長女 : いや、こないだなんかは違ったよ。
     キョロキョロしながら結構すばやくカート押しまくってたよ。

母親 : ウッソー。ま、今日行ってこっそり観察してみよ?
     早くコート着て。アンタの支度が一番遅いよ。


・・・・・・・・・・・・


母親 : 今さ、包丁を買おうと思って手にとってジーっと見てたらさ、
     子ども連れの若いお母さんが、
     あわてて子どもの手をとってどっか行ったワヨ。

長女 : ママさ、真剣に選んでるとき、アブナイ人みたいだもんね。

母親 : ママがこのパッケージの中から包丁を抜き出すと思う?

長女 : 思うんじゃない?
     目つきが、ほら、尋常じゃない。

母親 : 刺すよ。

長女 : そんなこと娘に言う親いる?

母親 : ゴメンチャイ。

長女 : あ、パパだ。・・・ほらね、キョロキョロしてる。

母親 : どこお? あら、イヤだ。アブナイ人みたい。

長女 : あれこそアブナイよね。
     ・・・あたしたちを探してんのかな。

母親 : 違うみたいね。
     あのジーンズの女の人のあとついて行ったよ。


・・・・・・・・・・・・


母親 : この洋服掛けしっかりしてるね。

長女 : 買うの? このポールハンガー。

母親 : 玄関に置いとこうと思ってサ。

長女 : これ、のっぽすぎない。パパよりも背が高いよ。

母親 : パパをコートのまんま掛けられるね。

長女 : ママひどい。
     でもパパってここに掛けられてもそのままぶら下がってるかも。
     あ、パパだ。

母親 : ホントだね。カート押しまくってるね。

長女 : あ、急に曲がった。
     ・・・ベージュのスーツの女の人・・・つけてる。

母親 : おまわりさん呼ぶ?

長女 : ママ…。


・・・・・・・・・・・・


長女 : あ、誰かガラス割った。

母親 : あらら、あいつだ、あの男の子。親はどこいるワケ?

長女 : お店の品物じゃん?

母親 : 弁償せんといかんから親は逃げよったナ。

長女 : お店の人飛んできたよ。
     あ、あの子のお父さんも来た。

母親 : あっ、ビンタした。

長女 : アイタ! 往復ビンタ。かわいそう。

母親 : そんなにせんでもいいのに。
     あんたが悪いんじゃ、子どものそばにおらんから。

長女 : お店の人もオロオロしてる。
     あ、パパだ。
     相変わらずキョロキョロしてカート押してる。

母親 : 状況も知らずに、
     みんなが遠くから注目してる舞台の上を横切ってるって感じだね。

長女 : すごくマヌケ…。
     おっ、急にスピード上げた。

母親 : 今度のねらいはあの青いTシャツのお姉さんカヨ。

長女 : 何やってんのパパ。
     パパー!

母親 : あ、気がついた。

長女 : 何かがっかりしてない?

母親 : 見つかって残念そうな顔してる。
     何やってんのアンタ。

父親 : あ、いや、あの、ストーカーごっこ、楽しくて・・・。

長女 : おまわりさん、呼んどくんだったね、ママ。


・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・


作者 : ホームセンターに来ている若奥さんっていいですよね。

読者 : おまえ、本気で書いたやろ、これ?


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※このお話はフィクションです。(←またまた七花さんのマネ)

 
小さい頃いっしょにお風呂に入っているとき、
痰の出し方を教えたのがまずかった。



父 : そうそう、もっと喉の奥の方から。
   ガーと声を出した方が出やすいよ。
   よし、ほらデキた。


あんなこと教えたもんだから、
次女は6年生まで男のような歯磨きをしていた。



妻 : ちょっとどうしてくれんの?
   もう恥ずかしい。
   やめさせてよ。


次女の朝の歯磨きの音を聞くたびに妻に責められた。

その次女、高校生になった今では、
さすがに“痰ペー”はやらなくなった。
最近彼女が凝っているのは「うがい」だ。
朝起きて、歯磨きのあと、学校から帰って、夕食後、勉強の合間、寝る前…。
1日何べんやっているのだろうか。
これをやっているから風邪をひかないのだと信じているそうだ。
まあ、清潔好きになったものよ。

でも、オレは気がついてる。
あのテクニックが、
オレが教えたあのテクニックが、
ちゃんと生きているんだ、彼女の「うがい」には。



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※このお話はフィクションです。

 
次女 : お坊さんが出てきたんだ。

妻 : え?

次女 : 昨日、夢に。

妻 : 怖いじゃん。
   って言うか、もしかしてそれ、守護霊?

次女 : だったらいいんだけど、そいつお腹を叩くんだよ。

妻 : あらア…守護霊じゃないワァ。

長女 : 悪霊じゃネ?

妻 : こないだの修学旅行で行った京都から連れてきたね。

長女 : 間違いない。

次女 : 何かバチみたいなのでボンボン叩くんだ。

長女 : こ〜え〜!
     それって“ギョクロ”と間違えてねェ?

妻 : ナオちゃん(次女)のお腹を“ギョクロ”だと思ったワケね。

次女 : お腹を隠そうとしても、すぐ上向きにされて…。

妻 : ひっくり返されちゃうの?

次女 : そうだよ、クルって。

長女 : 太ってっからだよ。
     お腹が出てるからうつ伏せに寝れねぇんじゃネ?

妻 : どら、見せてみ。
   こらア、“ギョクロ”だワァ。

次女 : 何だよさっきから人のこと“ギョクロ” “ギョクロ”って。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

妻&長女&次女 : “モクギョ”じゃネ?・・・・
             あっはっは! 3人そろって言うか?! あっはっは!


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作者 : 女3人に怖いものなどありません。


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※このお話はフィクションです。

 
長女 : 田中眞危子です。小泉さん?

父親 : また、やってるよ。

長女 : 懲りずにまた立候補するってお話、
     おやめになった方がよろしいんじゃありません?

父親 : はい、わかりました。立候補しません。

長女 : あなたも、もう歳なんですし。
     若手に道を譲るべきですよ。

父親 : 譲っちゃいます。

長女 : あなたね・・・


・・・どこまでも続くのです。
長女の“田中眞危子”は。
ほっとくと。



彼女が大学1年の頃は、
それはもう人気者だったらしい。
サークルの新入生勧誘の説明会で
のっけから“田中眞危子”やるもんで、
先輩部員はみんなぶっ飛んでしまったとか。
高校を卒業したばっかりのまだあどけない子が、
いきなり大勢の人の前で、
酒も飲まずにモノマネやるワケですよ。
そりゃ、もう、大騒ぎでしょうね。



長女 : 田中眞危子です。小泉さん?

先輩部員たち : ウォー! ヒューヒュー!


1年の間に、
彼女のモノマネのレパートリーはドンドン増え続けていった。
そんな彼女も2年生となり、
サークルのリーダー格になってからのこと…。



長女 : 私が幹事やると、みんな逃げ腰なんだ。

父親 : そりゃそうだろ。
     飲み会でゲームして負けたら全員モノマネやらせるんだろ?

長女 : 当然じゃん。盛り上がるじゃん。

父親 : おまえはいいサね。
     “田中眞危子”でも何でもずっとやってりゃ。
     でもそういうのニガ手な人多いんだよ。
     特に最近のお坊っちゃん学生は。
     パパもそうだけど。

長女 : 情けないねぇ。

父親 : おいおい…。
     男子部員のほとんどは、
     おまえを心底怖がっているそうじゃないか。

長女 : 怖いかい? アタシが。


どうするんだ、長女よ。
男はみんなおまえを遠巻きに見てるぞ。
ここで彼女の名誉のためにひと言添えておく。
彼女はかなりハイレベルの美形だ。
それもしっかりとした知性の土壌に生えた
おおらかで優しい美しさなのだ。
それなのに…。


ウチではもはや、
静かにテレビを見ることなどできない。
彼女は日夜、
テレビから音や声をヒュッと拾って練習している。
何でもマネする。
似てようが似てまいが、
そんなのどうでもいいところに、
今、
彼女は、
いる。


オレにはすでに見えている。
彼女を妻にする男は、
相当な人物か、




















大バカ者か、
どっちかだということ。




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気をつけな、そこの若いの。
そんなニヤついた顔で不用意に彼女に近づくと、
ハートがズタズタになるようなパンチを食らうぜ。

どうもありがとうございます。



※このお話はフィクションです。