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本作品はお色気シーン、もしくはそれを想起させる表現を含みます。
ご家族でご一緒にお読みになるのにはふさわしくありませんので、
そんな場合は、今すぐどこかへ、たとえばココへ飛んでってください。
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A : おまえの力も地に落ちたのう。

B : 大王様、面目ございません。

A : どうするつもりじゃ。

B : はっ、はい…。
   どのようなご処分でも甘んじて受ける覚悟で参りました。

A : 何もおまえを罰しようとは思っていない。
   情けないのは、あくまであの男だからな。

B : は、恐縮至極に存じまする。

A : おまえは、おまえが持てる最大限の力で叫ぼうとした。
   しかし、あの男は先回りをして、
   おまえの背後から忍び寄り、
   どんな手を使ったのかはわからんが、おまえの気を失わせた。
   それもただ、“あと10分”の惰眠をむさぼりたいという、
   動物的かつ短絡的な理由でだ。
   結局10分どころか1時間も寝坊し、
   朝一の会議は見事スッポカシと相成った。

B : まさか裏の方から手を回してくるとは思いませんでした。

A : おまえの力だけでは、
   もういかんともしがたいところまで来ているようじゃ。

B : 大王様、本日は老いさらばえた私めの代わりにと思いまして、
   この者を連れて参りました。

A : 見かけぬ顔じゃの。もちと近こう寄れ。

B : さ、さ、お目通しいただくのじゃ。

A : 顔を上げよ。
   ほお、なかなかスッキリとした顔立ちじゃ。
   おまえの息子か?

B : いえ、私めは、人徳の無さゆえに、
   子宝にも恵まれなかったのでございます。
   この者は我らが民(たみ)とは、出自を異にする者にて…。

A : どこの生まれかの? 若者よ。

C : 「照るの民」の者にございます。

A : 「照るの民」とな?
   おお、「TELの民」、「電話の民」。
   ワシも昔、まだ営業をやっておった頃、
   全国各地のビジネスホテルをよく泊まり歩いておった。
   翌朝、大事な面談があるときなど、
   ホテルのフロントのお姉さんにモーニングコールを頼んだものだ。
   なるほどなァ、目覚ましの翁(おきな)。
   おまえの考えそうなことよ。

   じゃが、目覚ましの翁よ。
   ちいと、思慮が足りなかったのではないか。
   あの男の部屋にはフロントのお姉さんなどはおらぬ。
   モーニングコールのサービスは受けられぬということじゃ。

B : 恐れながら、大王様。
   この者には、モーニングコールのサービス体制は無用でございます。

A : サービス体制なくして、この者がその役目をまっとうできるとな?

B : 御意にござりまする。

A : やって見せよ。

B : さ、早よう、やってご覧に入れるのじゃ。

C : このようにして毎朝7時にセットいたします。
   このような音で鳴ります。
   こうやって止めます。

A : おお、美しい声じゃ。
   光るのか。
   震えるのか。
   そなた、名を何と申す?

C : ケータイと申します。

A : 「ケータイの皇子(みこ)」…良い名じゃ。
   しかしケータイの皇子よ、
   あの男の貧しい知能で、そなたを使いこなせると思うか。

C : 私を使うのに、さほど知能は要りません。
   ただひたすら直感だけでボタンを押すのです。
   最近の若い人はみなそうです。
   頭は使いません。

A : いにしえより、ここ大和の国は、
   遥か西方の国々から伝わる新しい文化を
   すべてその胃袋に取り入れ、消化・吸収し、血肉として参った。
   そなたの言う“直感”とやらも、
   新しい文化の響きがする言葉じゃ。

   目覚ましの翁よ。
   おまえには、よい跡取りがおって幸せ者よのう。
   今日はこのケータイの皇子を置いて行け。
   ワシがまず使ってみる。

B : へ? あ、いや、大王様、それはなりませぬ。
   まだ、右も左もわからぬ子どもでござりまする〜。


・・・・ * ・・・・ * ・・・・ * ・・・・


作者 : 果たして目覚ましの翁は、ケータイの皇子を、
     大王様から守れるのでありましょうか!


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はい、今、
「え? そういうこと? ああいうこと?」
っていろいろ考えた方、
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どうもありがとうございます。

 
K : おお、美しいのう。
   一見皆同じように見えるが、
   実はひとつひとつが違う輝きを秘めておる。
   “朝日と夕日と月の雫(しずく)を封じ込めた水晶の玉”。
   5つだけ余ってしまった。
   これをどのようにして分ければよいのか。

3 : 大王(オオキミ)様、恐れながら申し上げます。

K : おう、ヤヨイのミコトか、言うてみよ。

3 : 我らに等しくお与えになろうという大王様の慈悲深き御心(みこころ)、
   感涙(かんるい)に耐えませぬ。

K : うむ。して?

3 : 我らはもう十分いただきました。
   かかる上は、大王様にお収めいただくのがよいかと…。

K : ワシが収めてどうなるのじゃ。
   若い頃なら何でも食えたが、今はもうダメじゃ。
   霞のほかは腹にもたれて難儀する。

8 : (仙人かヨ)

K : 何じゃ? ハヅキのミコト。大きな声で申せ。

8 : この資本主義社会を強く生き抜くためには、
   競争に勝つ力が求められております。
   その辺に並べていただいて、
   砂浜ダッシュで早くつかんだモノ勝ち、というのがよいかと。

5 : ハヅキのミコトに賛成でござる。

K : サツキのミコトも早いモン勝ちか。

2 : 恐れながら…。

K : おう、キサラギのミコト。
   十二人衆きっての智恵袋であるおヌシの意見を聞こうではないか。

2 : 5つ余るのがよくないのでございます。

K : 余ってしまったのだ。

2 : 余らないようにしていただきとうございます。

K : できるか?

2 : 大王様のお力をもってすれば。

K : どのように?

2 : もう少しだけ速く、太陽の周りを地球が回るよう、
   公転スピードを上げていただければ。

K : 5日分だけか?

2 : 御意。

K : …やってみたのじゃ。

2 : むずかしゅうございましたか?

K : 重くなりすぎた。

2 : 地球がでございまするか?

K : 人の数が増えすぎた。
   いやそれ以上に人の心の中に潜む“ダークマター”の量が
   想定外に巨大になりすぎたのじゃ。

7 : “ダークマター”について、解説いたしまする。
   宇宙にはたくさんの星や銀河がありますが、
   私たちに見えるのは、全体のごく一部でしかありません。
   でも天文学者の間では、
   『宇宙にある物質のほとんどが
   巨大な質量を持つ暗黒物質“ダークマター”である』
   というのが定説になっています。

K : ありがとうよ、フヅキのミコト。
   そなたの科学の知識をもって、いずれこの世を救ってくれ。
   じゃが、さきほどワシが言うた“ダークマター”はもっと抽象的な意味じゃよ。
   ひと言で言うなら、“邪悪な心”じゃ。
   シワスのミコトはどうじゃ、さっきから腕組みをしておるが…。

12 : 恐れながら。
    ムツキのミコトから飛び飛びにお与えになってはいかがですか。
    早い者勝ちということになると、
    エネルギーの有り余っている春や夏の衆が有利でござろう。
    欲張りもののハヅキのミコトなどは、
    一人で3つも抱え込むやもしれません。

8 : シワスのジイよ、この世は力ぞ。
   貴様のような腰抜けに出る幕はないのだ。
   我こそはと思う者、ここに集まれ。いざ勝負じゃ。

K : シワスのミコトよ。すまんな。
   ワシは子育てに失敗したようじゃ。
   まあ、よい。たかが5日分だけのこと。
   ここでワシと一緒に見物していようではないか。

・・・・・・・・・・・・・・・・

実況 : かくして、5つの“朝日と夕日と月の雫を封じ込めた水晶の玉”をめぐる
     砂浜バトルが、大王様の御前にて賑々しく執り行われております。
     如月(2月)のミコトは体調不良を理由に、
     師走(12月)のミコトは年齢を理由に、
     それぞれ棄権いたしまして、参加者は10名。
     2人ひと組のマッチプレイ方式で争われております。
     勝負は1回だけ、負けたら終わりのサバイバルゲーム。

     これまでのところ4組の勝敗が決定しております。
     砂浜に置かれた玉を獲得できたのは、
     睦月(1月)・弥生(3月)・文月(7月)・神無月(10月)の4名。
     さて残る玉は、あと1こ。
     どちらが“朝日と夕日と月の雫を封じ込めた水晶の玉”を
     手中に収めるのでしょうか!

     さあ、皐月(5月)と葉月(8月)が突っ込んでくる!
     ものスゴイ砂煙だ!
     最後の1こに飛びついた!
     あっ、何と取り損ねた玉は宙を舞って大王様の足元に!
     幸運にもそれを拾い上げたのは師走(12月)のミコト!
     真っ赤になって悔しがる皐月!
     天を仰いで膝から崩れ落ちる葉月!

     あ、いけません。
     凶暴な狼と化した皐月と葉月が、
     あの大人しい如月のミコトを取り囲みました。

8 : そこの紙袋! じゃねぇか智恵袋!
   いけすかんヤツじゃ。

5 : “キサラギ”じゃあ?
   なんやキザッタラシイ名前つけてもらいよってー!

8 : オレらに寄越せ。

2 : 何をですか?

8 : 何をじゃねぇだろ。

5 : おまえの“水晶玉”をだよ。

2 : あ、これは大王様からいただいた大事なもの…。

実況 : ああ、なんということ!
     大王様の御前だというのに!
     このようなこと許されるものではありません!
     如月のミコトから力づくで奪い取った水晶の玉を手に
     皐月と葉月は意気揚々と引き上げていきました!


・・・・・・・・(後日談)・・・・・・・・


作者 : かわいそうに思った大王様は、
     その後4年に1度、
     如月のミコトにこっそりと、
     “朝日と夕日と月の雫を封じ込めた水晶の玉”
     の仕送りを続けているのだそうです。

読者 : まあまあ、おもしろかったけど、
     作者先生、あんたベストタイミングを外したな。
     今年の2月29日に今日の作品出すべきやったやろ?
     惜しかったな。次は4年後やデ。

作者 : この作品、思いつくのが遅すぎました…トホホ。


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はい、「残念やったなー」と作者をどん底に突き落とそうとしている方、
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そして、そんな意地悪な方は、
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見つけていただき、クリックして、
またここへ戻ってくること。
これは命令です。
どうもありがとうございます。

 
大王 : 実刑に処す。

蝙蝠 : 大王様、それだけは何とか…。

大王 : ならん。
     執行猶予期間中に、無免許で夜間飛び回るからじゃ。

蝙蝠 : おなかが空いて仕方がなかったのでございます。
     1日に500匹もの虫を食べなければ、
     我々は生きていけません。

大王 : 聞く耳持たん。

蝙蝠 : そんな…他の罰なら何でも甘んじて…。

大王 : 明日の朝、目が覚めたときに、
     おまえは人間になっておる。

蝙蝠 : ガーン!


- - - * - - - * - - - * - - -


蝙蝠 : キンキンキンキン・・・
     人間ってのは、超音波を出さないらしい。
     そんなこと、信じられるか?

     キンキンキンキン・・・
     超音波を出さないで、
     どうやってものの位置や形や大きさを知るというのだ。

     キンキンキンキン・・・
     我々コウモリ族は、絶えず口から超音波を出している。
     それが物体に当たって跳ね返ってくる音のゆがみを
     この大きな耳で聞いているからこそ、
     ものの動きを正確に察知して
     事前の衝突回避行動ができるのだ。

     キンキンキンキン・・・
     しかるに、人間という下等生物は、
     主に視力という前近代的なアナログ計器による
     低解像度分析だけだっていうじゃないか。

     キンキンキンキン・・・
     そんなチャチな分析で、
     次に踏み出すべき一歩の方向と歩幅を
     どうして判断できるっていうんだ。

     キンキンキンキン・・・
     たった1日の実刑とはいえ、
     この不安な気持ちは耐えられないよ。

司書 : 申し訳ないが、キミ、
     ここでは大きな声は出してもらっちゃ困るよ。

蝙蝠 : キンキンキンキン・・・
     どうしてですか?

司書 : そのキンキンキンってのをやめてくれないかね。
     ここは図書館だ。知っての通り、
     たくさんの人が本を読みにやってくるところだ。
     両目をしっかり開けて見てみろ!
     みんな周りに迷惑をかけないように
     静かに読んでいるだろう?

蝙蝠 : キンキンキンキン・・・
     わかりました。

司書 : だ・か・ら・・・キンキンは!

     [つづく]

作者 : この作品は、このサイトを参考にしました。


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コウモリは超音波を出して飛んでるって知ってた方、
上のボタンを押してください。
ありがとうございました。

 
大王 : アヤツはどうしておる?

家来 : まだ超音波を出しているようです。

大王 : 気の弱いヤツよ。

家来 : 図書館を追い出されたようですよ。

大王 : 図書館で超音波を出したのか?

家来 : 御意。

大王 : 懲役を10%増量せよ。


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蝙蝠 : 追い出されたよ、図書館ってとこを。
     人間ってキンキンが嫌いなんだな。
     飛ぶばっかりで歩くことをしてなかったから、
     何だか筋肉の動かし方がよくわからないな。
     あ、座れるところがある…ベンチ。
     夜飛んでるときに、よく人間たちが座ってたな。
     顔をくっつけ合って何かしてた。
     …あれ何してたんだろ?
     ここでちょっと休憩。超音波も停止。
     ・・・・・・・・・・・・・・・・
     おお、超音波を使わないって、
     やっぱりすごい不安。

老人 : 座ってもいいかね?

蝙蝠 : キン・・・
     (あ、いけねぇ)
     どうぞどうぞ。
     (でもこれってアレかな?)

老人 : 気分いいのう。
     この時期にしては日差しも柔らかい。

蝙蝠 : はい、僕にはちょっと眩しすぎますが…。
     (この人とアレしなきゃいけないのかな)

老人 : ごあいさつ代わりにコレなどいかがかな?

蝙蝠 : えっ? いや、あの…僕はソンナことしたことなく…。
     (来たよ、来た来た、やっぱ来た…)

老人 : お口に合うかどうか…。

蝙蝠 : ギョエッ! おじいさん! 僕、時間がなくて。
     あの、失礼します!

老人 : ????
     このバームクーヘン、一人じゃ食えんから、
     手伝ってもらおうと思ったのに…。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

蝙蝠 : ああ、危なかった。
     人間ってやっぱ怖いワ。
     不用意にベンチなんか座るもんじゃないな。
     あのおじいさん“お口が合うかどうか”だって。
     イヤだよ。あんな歯抜けじいさんと
     “お口が合うかどうか”試すの。
     人間って何でみんな口と口を合わせるんだろ?

     ああ、早くコウモリの世界に戻りたい。
     大王様! もうお許しください!

     [つづく]

作者 : この作品は、このサイトを参考にしました。


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コウモリが哺乳類だって知らなかった方、
上のボタンを押してください。
ありがとうございました。

 
大王 : アヤツもそろそろ人間社会の怖さがわかってきたようだな。

家来 : いえいえ、まだ序の口でございまする。


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蝙蝠 : 昨日の夜から何も食べてない。
     フラフラしてきた。
     あ、ここは夜な夜な僕らが水を飲みに来てたお屋敷だ。
     空から見る雰囲気とは全く違う。
     立派な門だな。
     よし、入っちゃえ。
     ここの庭にある池は、
     蚊やコバエもたくさんいて
     最高の穴場なんだよな。

奥様 : あら、剪定(せんてい)の方?

蝙蝠 : センテイ?

奥様 : 庭のお仕事にいらしたんでしょ?

蝙蝠 : あ! はい…。

奥様 : 初めての方かしら?

蝙蝠 : はいはい、そうです。

奥様 : ふふっ、あらそう。道具はどうなさったの?

蝙蝠 : なくても大丈夫です。

奥様 : あはは。なくてどうやって木を切るの?

蝙蝠 : そこは専門家にお任せください。

奥様 : おもしろいこと言う方ね。

蝙蝠 : まずは、どんな庭か見ないことには…。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・

蝙蝠 : キンキンキンキン・・・
     池、池、蚊、蚊、コバエ、コバエ!
     パクパク、うめぇうめぇ、パクパク・・・

奥様 : どうですか、専門家のおにいちゃん。

蝙蝠 : イケますね。ここのコバエ最高です…あ、いや、
     池ですね。ここの見栄え最高です。

奥様 : 池よりこの梅の木を何とかしていただきたいの。

蝙蝠 : 何をするにもまずは腹ごしらえからですから。

奥様 : 先におにぎりでもお持ちしましょうか。

蝙蝠 : いえもう、たくさんいただきましたから。


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大王 : けしからん! 楽しそうじゃないか。

家来 : 不法侵入で警察に突き出されると思っておりましたが…。

     [つづく]

作者 : この作品は、このサイトを参考にしました。


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哺乳類は世界中に約4000種類いるといわれます。
このうち何と1000種がコウモリなんだって。
コウモリが哺乳類の4分の1も占めてるって知らなかった方、
上のボタンを押してください。
ありがとうございました。